表参道 LIGHT BOX STUDIOにて、9月16日・17日の2日間にわたり開催された「股旅社中見本市2026」に、丸晴工務店も出展しました。 今回の見本市のテーマは、「育てる、ワークショップ」。 会場には、全国各地の地域工務店や家具・建材メーカー、デザイナーが集まり、これまでのワークショップから生まれた家具や建材、さまざまな活動が展示されました。 今回紹介されたのは、完成した製品だけではありません。 一つの製品が生まれるまでの試行錯誤や、それぞれの地域に根づく素材と技術、そしてワークショップを重ねることで育まれてきた、つくり手同士の関係も含めた展示となりました。 股旅社中とは 股旅社中は、家具デザイナーと地域の工務店、住まいに関わるメーカーが協働し、新しい家づくりに取り組む活動です。 家具や建具、建築部品など、住まい手と建築空間の接点となるものについて、つくり手同士が実際に手を動かしながら考えます。 既製品や従来の方法だけでは得られないものがあれば、それぞれの知恵と技術を持ち寄り、オリジナルの製品を開発していきます。 「手ざわりのいい家」「住めば住むほど心地よくなる家」「隅々までていねいにデザインする家」そんな家つくりを目指しています。 「育てる」を五つの視点から 今回の会場は、 ・技術を育てる ・素材を育てる←丸晴はココ! ・住まい手を育てる ・街を育てる ・人材を育てる という五つのコーナーで構成されました。 股旅社中には、家具デザイナーの村澤一晃さんや中村圭吾さんをはじめ、各地の工務店や家具・建材メーカーなど、さまざまなつくり手が参加しています。 立場や地域の異なる人たちが、それぞれの経験や技術を持ち寄り、対話や試作、改良を重ねながら、新しい家具や建築部品を生み出してきました。 こうした取り組みは、製品を完成させることだけが目的ではありません。ともに考え、手を動かす過程を通して、技術や人材、ものづくりに向き合う環境そのものも育まれていきます。 「股旅社中見本市」は、そこから生まれた製品とともに、その背景にある共創の過程を伝える場でもあります。 檜のダイニングテーブル 今回、丸晴工務店が展示したのは、檜でつくった円形と長方形、2種類のダイニングテーブルです。 テーブルを設計したのは、今回の見本市の主催にも携わる、sail代表の中村圭吾さんです。 中村さんは、村澤一晃さんのもとで家具デザインの経験を積み、現在は独立。一級建築士・家具デザイナーとして、「建築と家具の間をデザインする」をテーマに、建築、インテリア、家具、プロダクトなどを手がけています。地域の風土や職人との協働を大切にし、手に触れたくなるもの、長く愛される空間とものづくりを目指して活動されています。 何人でも自然に囲める、円形のテーブル 円形のテーブルは、脚を中心に収めたデザインが特徴です。 突板や集成材を使用せずに丸晴が普段から利用している無垢材で制作しました。 一般的なテーブルのように四隅に脚がないため、座る場所が限定されません。偶数でも奇数でも、人数に合わせて椅子を置き、どの方向からでも自然にテーブルを囲むことができます。 家族で食事をするときはもちろん、来客が増えたときにも、人数を決めすぎず柔軟に使える形です。 角のない丸い天板と、中心に据えられた正10角形の脚によって、檜の木目を生かした穏やかな佇まいに仕上がりました。 木材の切り出しはショップボットで行い、仕上げは大工さんに丁寧に鑢をかけていただきました。 釘やビスを使わずに組み立てる、長方形のテーブル 長方形のテーブルは、釘やビスをどこにも使わず、木のクサビによって固定しています。 クサビを外すことで脚部を分解できる、ノックダウン式の構造です。運搬や移動がしやすく、暮らしの変化にも対応できます。 天板は脚部の上に載せる構成としているため、好みや住まいに合わせて天板を選ぶこともできます。 丸晴工務店のお客様の中には、無垢の一枚板を載せて使われている方も多くいらっしゃいます。今回の見本市では、檜の板をつなぎ合わせた幅はぎの天板を展示しました。 檜の木目が連なる幅はぎならではの表情と、木を組み、クサビで留める大工仕事の美しさを感じていただけるテーブルです。 空間を軽やかに見せる、脚のかたち もう一つの特徴は、先端へ向かってやわらかなカーブを描きながら、細くなるようにつくられた脚です。 木製家具にはしっかりとした存在感がありますが、脚先を細く整えることで、床との接点が軽くなり、空間の中にも軽やかな印象が生まれます。 この脚のかたちは、今回のダイニングテーブルだけのものではありません。 丸晴工務店では、大工が製作する洗面台やテレビボード、サイドテーブルなど、さまざまな造作家具に同じ考え方を取り入れています。 家具単体のデザインではなく、住まい全体に共通する細部として繰り返し用いることで、空間に自然な統一感が生まれます。 檜は、生まれたばかりの赤ちゃんのような白木の色から、年月とともに深みのある飴色へと変化していきます。 丸晴工務店は、檜を生かした住まいづくりを得意としています。その一方で、住まいに置かれる家具には海外の木材を使ったものも多く、家と家具を同じ素材でつなぐことができないかと考えてきました。 日々の暮らしの中で、家具は素肌で触れる機会の多いものです。 だからこそ、檜ならではの温かさや、やわらかな肌触りを大切にしています。 住まいとともに色合いを深め、暮らしになじんでいく。そんな檜の良さを生かした家具をつくっています。 家づくりの技術から、暮らしの道具へ 丸晴工務店が日頃向き合っているのは、柱や梁など、家を支える木だけではありません。 木の性質を見極め、手を動かし、住まいや使う人に合う形へと整えていく。家づくりの中で培ってきた大工の技術は、テーブルをはじめとする暮らしの道具にもつながっています。 そこで使う家具や道具、人が集う場所まで含めて、少しずつその家らしい暮らしが育っていきます。 今回の見本市は、異なる地域や分野で活動するつくり手と出会い、それぞれの技術や考え方、想いに触れる貴重な機会となりました。 これからも丸晴工務店は、デザイナーや各地のつくり手と力を合わせ、切磋琢磨しながら、木の美しさと大工の技術を生かし、住むほどに美しく愛着が深まる家と暮らしの道具を考えていきたいと思います。 ★股旅社中についてはこちらhttps://www.marusei-j.co.jp/matatabishachu/ ★【YouTube】丸晴工務店 https://www.youtube.com/channel/UCrm9-1wp-Or-9W7frbym86Q ★【インスタグラム】丸晴工務店 https://www.instagram.com/marusei_koumuten/