キッチンカウンターの天板(ワークトップ)ってどんな種類があるの?
2023年1月27日キッチンの天板ってたくさんあってわからない。
でも、キッチンって毎日使うからあまり妥協したくないし。
まずは、自分で素材について調べてみようかな。
そう思われたのであれば、ぜひ読んでみてください。
特徴が分かれば、自分の性格や生活スタイルに合ったキッチンが見つかるかもしれません。
目次
人工大理石(じんこうだいりせき)と人造大理石(テラゾー)の違い
もともと1965年、アメリカのデュポン社が人造大理石を発明し、1971年から日本に輸入され、その後国内での製造も始まりました。
当時は、同じものとして扱われて、原材料の樹脂に石の粉末、鉱物質、着色料などの充填材を加えて固めたものでした。
しかし、現在では、人工大理石と人造大理石どちらも同じもののように聞こえますが、実は全く別物なのです。
人工大理石とは、
アクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分とした人工素材です。
人工大理石という名称から大理石の成分が入っていると思われがちですが、粉や成分など一切入っておりません。
アクリル系人工大理石は、板状の原板から切り出す部材を接着する「組み立て式」です。
一方、ポリエステル系人工大理石は、型を用いてつくる成形品です。
基本的にメーカーがオス・メスの型を製作し、その隙間に樹脂を流し込んで硬化させてつくります。
型製作には費用がかかるので、大量生産によってコストパフォーマンスを高め、できるだけ製品価格を抑えるのが、ポリエステル系人工大理石の基本的な考え方です。
また、価格の違いとしては、アクリル系樹脂のほうがポリエステル系樹脂よりも高価です。
メリット
・加工がしやすい
・色や模様のバリエーションが多い
・コストパフォーマンスが良い
・割れにくく耐久性がある
デメリット
・天然の大理石と比較すると柔らかく傷つきやすく熱に弱い
・型が必要となり1点ものの特注が難しいものもある
・主成分が樹脂のため高級感や風合いは無く、無機質になりやすい
・研磨入りのナイロンたわしやクレンザーを使用すると、磨いた部分がうっすらと白くなる場合がある
・燃焼すると不完全燃焼による一酸化炭素などの有毒ガスを発生する
人造大理石とは、
天然の大理石などを粉砕し、セメントや樹脂で固めた半人工素材です。
セメントで固めたものをセメントテラゾー、樹脂で固めたものを樹脂(レジン)テラゾーと呼びます。
名前は似ていますが、似て非なるものなのです。
人造大理石の特徴として、石を砕いて混ぜるため均一な外観には出来ません。
また、色調も使用する石材に大きく左右されますが、自然な風合いが人工大理石よりは感じられます。
メリット
・人工大理石より硬く傷や摩耗に強い
・色や模様のバリエーションが多い
・自然な風合いを楽しむことが出来る
・汚れが染み込みづらい
・熱に強い
デメリット
・人工大理石と比べると高価
・熱や汚れで変色してしまうことがある
メンテナンス
普段のお手入れとしては、長時間汚れを放置すると着色することもあるので、汚れたらすぐ拭くことをお勧めします。
また、研磨タイプのスポンジは使える製品と使えない製品がありますので、ご確認の上ご使用ください。
ステンレスとは
ステンレスの事をよくSUS(サス)と呼びますが、
S=steel鋼
U=use特殊用途(special use)
S=stainless不銹
という事から、SUSといえばステンレス鋼を意味しています。
ステンレス鋼とは、鉄を主成分としこれに10.5%以上のクロムを含有した合金鋼で鉄に比べ耐食、耐久性、耐熱性、加工性美観において非常に優れた金属です。
また、環境に対してもステンレスは100%リサイクル可能な材料として高く評価されています。
ステンレスの語源は
stain=しみ、よごれ、汚染
less=のない、できない
訳すと、さびないという意味でstain less、ステンレスと呼ばれる様になりました。
サビないしくみ
鉄にクロムを添加するとクロムが酸素と結合して鋼の表面に薄い保護皮膜 (不動態皮膜)を生成します。この不動態皮膜がさびの進行を防ぎます。またこの不動態皮膜は100万分の3mm程度のごく薄いものですが、大変強靭で、一度こわれても、周囲に酸素があれば自動的に再生する機能をもっています。
ただ、ステンレスは絶対さびない金属ではなく作られている不動体皮膜がほこりや鉄分、塩分を含んだ雨水などによって破壊された場合には、さびが発生しやすくなります。また、キッチンカウンターなどでは、もらいサビと言って鉄鍋などを長時間置いたままにしてサビが付着してしまうとサビの原因にもなります。
これらのサビは磨けば落ちることが多いですが、落とすのも大変なものもありますので、普段から乾いた布などで天板を拭いておくお手入れはしておくのが良いのかもしれません。(これはステンレスだけでなく、木の天板など他の天板にも言えることかもしれませんが、、、)
メリット
・水やさびに強い
・油など汚れにも強い
・匂いがつきにくく衛生的
・人造大理石と比べると少し安い
デメリット
・無機質な感じになりやすい
・時と共にステンレスの光沢が無くなる
・もらいサビがつくことがある
メンテナンス
もらいサビなど発生してしまった場合は、市販で売っているクレンザーと緑の研磨面がついているスポンジでゴシゴシこすり落とします。水で洗い落として、まだ落ちていないようならこれを繰り返します。
表面仕上げ
ヘアーライン
ヘアラインは研磨ベルトを使い、わざと表面に細長い筋状の研磨目を付ける方法です。
バイブレーション
バイブレーションは、多軸水平研磨を用いた無方向性のヘアライン研磨仕上げです。こちらもすじ状の磨き目が入りますが、方向がランダムなことが特徴といえます。やや光沢を抑え、落ち着いた雰囲気がでます。
エンボス
エンボスは、エンボス用ロールやエッチングでの圧延処理によって作られます。エッチングとは、薬品による化学反応で金属をわざと溶解させ、表面に凹凸をつくる方法です。
表面の凹凸で傷が目立たない仕上げです。
鏡面仕上げ
冷間圧延後に熱処理、酸洗いなどを行い、軽く冷間加工することによって光沢を与えた仕上がりを実現したもの。
店舗などでも目にするとてもメジャーな方法です。
木の天板
メリット
・柔らかな雰囲気になる
・オイル仕上げであれば手触りがいい
デメリット
・汚れやシミがつきやすい
・木の反りなどでシンクやコンロに隙間ができてしまうこともある
メンテナンス
汚れやシミになりやすい素材のため、普段から水や汚れがついたらすぐ拭き取る。
まとめ
人造大理石であれば、色や柄など選ぶ種類が多く、インテリアに合わせたものを選択でき、ステンレスは一見無機質になるかもしれませんが、設計によってはとてもシンプルでおしゃれな空間が広がります。
また、木の天板は風合いを楽しむので、こまめな拭き取りが必要ですが、シミも「一つの物語」と思える方は、素敵なキッチンに仕上がるのではないかと思います。
ご自分の好み、また生活スタイル、ご予算などでお好きな天板を選ぶのがいいですね。
また、一つの素材でも何十種類とありますので、ぜひご自分に合った天板を見つけてください。
そのためにも、天板は実際に見に行き触ってみることをおすすめします。
キッチンはいろんなシチュエーションで使うものなので、肌触りだけでなく、水に濡れたらまな板が滑りやすいか、固さ等、何年か経った時にどうなるのか、ショールームの方に質問してみるのもいいですね。
また、メンテナンスの方法も合わせて質問しておくことも忘れずに。
その他素材について書いたブログはこちら
https://www.marusei-j.co.jp/外壁材のガルバニウム鋼板について/
参考文献:ステンレス協会 https://www.jssa.gr.jp/contents/about_stainless/key_properties/
:シゲル工業https://www.shigeru-k.co.jp
:コーティングMAGAZINEhttps://www.y-skt.co.jp/magazine/knowledge/guide-stainless/