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大工の墨付け〜現場LIVE〜

2021年5月10日

木組みの家づくりにおける、

柱や桁などの墨付けって見たことありますか?

そもそも墨付けって何?

って思われる方も多いと思います。

木を組む上で、一つ一つの木材に凹凸の加工をして組みます。

それを、仕口、継手などと言ったりします。

そんな仕口や継手を加工するための印をつけることを墨付けと言います。

現在では、手刻みで加工するところが少なくなってしまい、9割が機械によるプレカットになっています。

そのため、墨付けを見る機会も少ないと思います。

今回は、そんな墨付けをピックアップして、どんな風に木組みの家が出来上がるのか、楽しんで見て頂けたらと思います。

 

墨付けとは

木材の角材面に切ったり、削ったりする工作の基準となる線や記号、符号などをつけることを言います。

各工事を行う際の基準となる通り心や高さ、仕上げの位置などを工事の段階に応じて基礎や柱、壁面などに印をしたり、部材を刻み加工する前に、その加工に必要な基準線の位置、寸法、印などをつけます。

道具は、墨壺、墨刺、曲尺、尺杖などが用いられます。

木造住宅では、まず土台、桁、梁などの横架材の詳細な寸法関係(断面や内法寸法の微妙な食い違い)や、納まりの変更などの要素を検討してから墨付けをします。

地廻り(建物全体を一周する桁と梁の総称)よりも下方の部分では、部材同士は縦横内法間の垂直または水平による取り合い関係であるため、正確な寸法採りがなされていることが大切です。

地廻りよりも上部の軒廻りや小屋組ではさらに勾配の要素が加わるため、特に寄棟屋根や入母屋屋根などの複雑な寸法関係を曲尺一本で導き出すためには規矩術(曲尺によって描き出す図式解法)の習得が重要となります。

 

参考資料:

墨壺

材木の墨掛けや墨出しに用いる直線を引くための道具。

墨汁を染み込ませた墨綿を入れておく墨池、糸車、先端に針の付いた軽子、墨糸からなります。

 

 

墨打ち

道具は古代から墨壺が用いられ、繰り出して伸ばした墨糸の弾力性を利用して、それを弾くように直線の墨を打った墨打ち。また墨糸を多少たわませて墨打ちすることで、曲線を描くこともできます。

 

種類

鎌(かま)

主に継手に用いられる引張りに有効な基本形。

引張りに有効な継手として桁、母屋、棟木などに古代から用いられてきた。

 

蟻(あり)

引張りに抗する形で、引張強度は「鎌」に及ばないが、接ぐ長さが短くてすみ、仕口では凹形に加工される通し材の繊維を欠く割合が比較的少ないため、仕口に多く用いられる。

  

 

手板、番付表

手板、番付表と呼ばれる大工さんの図面を確認しながら、間違いのないように、番付表の記号を木材に記載し、墨付けをしていきます。

 

 

墨付けは、表に出るところの仕口や、部屋によっての材木の選び方、木の曲がりやむくりを確認して方向を決めたり、場所場所によって変えていく、そんなふうに人間にしかできない目利きをしながら、墨付けを行っています。プレカットになり、工期が短かくなったりとても便利にはなりましたが、プレカットではできない材料、納まりは大工さんの手刻みでおこなう必要性があります。天然乾燥材を主に使い、丸太を使ったりと様々な理由から手刻みで全棟おこなっております。またいい家を作りたい。その気持ちが手刻みには、こもっております。

 

You Tubeで今回の墨付けをしている動画を載せています。

よろしければ見てみて下さい。

https://youtu.be/3CtqDzmsS4U

 

その他ブログで継手仕口について書いた記事です。

https://www.marusei-j.co.jp/木造建築における木組みの継手仕口とは何?/

 

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