お知らせ

床柱の最高級品とも呼ばれる黒檀(コクタン)

2022年4月9日

先月、解体現場から黒檀の床柱がありました。

とても黒々として美しく思わずカメラを手に取りました。

床柱としては、かつて貴重な輸入材だったため、贅沢なものとされていました。

そんな「黒檀(コクタン)」についてお話しです。

黒檀(コクタン)とは

【樹名】

 コクタン

【科名】

 カキノキ科カキノキ属

【心材の色】

 黒色

【辺材の色】

 灰白色
【産地】

 インド、スリランカ、ミャンマーなど東南アジアに広く分布

【加工性】

 硬く困難

【塗装性】

 無塗装で磨き上げられることが多い

【適応箇所】

 床周りに適する

【主要用途】

 床材、家具材、弦楽器

 

コクタン(黒檀)の主な用途は床柱、床周り関係の装飾材です。

仏壇にもよく使われます。ギターなどの弦楽器の指板やピアノの黒鍵もコクタンの真黒が好まれ、白鍵が象牙のコンビが最高のものとされています。

クラリネットなどの管楽器、バイオリンの弦糸巻、カスタネットもコクタンが使われています。

さまざまな黒檀「コクタン」

 

琉球黒檀(リュウキュウコクタン)

日本に生えている木の中でも最も重くて硬い木の部類に入ります。

縞黒檀(シマコクタン)や真黒(マグロ)よりも硬いです。

 

青黒檀(アオコクタン)

黒檀の中では、真黒(マグロ)と共に最高級と位置付けられて、削っている時に見事な光沢のある深緑色が出ます。

 

縞黒檀(シマコクタン)

黒檀の中で黒と茶色の縞模様を形成しているものをシマコクタンと呼びます。

フィリピン産のカマゴンは、日本でシマコクタンとして流通している場合がありますが、正確にはシマコクタンには含まれません。カマゴンは、やや不快な臭いがするため、見極めのポイントになります。

 

ペールムーンエボニー

黒檀の中では、非常に加工しやすく、日本では楽器材としての流通がほとんどで、ギターの指板やボディに使われます。

材の見た目はクロガキに似ています。

 

本黒檀(ホンコクタン)

黒檀の中でも、東南アジアで産出される本黒檀が最も硬く、黒檀の中でもランクが高いです。

現在は、伐採が禁止のため手に入りにくいです。

 

真黒(マグロ)

材が真っ黒なので見た目通り「真黒(マグロ)」と呼ばれます。

アフリカ産の真っ黒なコクタンの総称で、見た目には本黒檀との見分けがつきにくいです。

マグロの中でも、木肌に艶があるのはカメルーンエボニー、艶なしはマダガスカルエボニーです。

 

参考資料・引用元:誠文堂新光社「木材加工面がわかる樹種辞典」

購入はこちらhttps://www.seibundo-shinkosha.net/book/lifestyle/19474/

 

最後に

こういった廃材を使い、神社のお祭りで使う木札にしたりといい材が出た時はリサイクルも行うそうです。

解体して全てがゴミではなく、新しく命を吹き込むということは、今の世の中でとても大切なことだと思います。

便利な世の中になりつつありますが、転生輪廻の心を持ち続けていきたいです。

 

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