珪藻土と漆喰の違いとは?特徴や選び方を徹底解説
2024年12月2日珪藻土と漆喰の違いとは?特徴や選び方を徹底解説
壁材選びは家づくりの中でも重要なポイントです。その中でも、自然素材を使った「珪藻土」と「漆喰」は、調湿性やデザイン性に優れた人気の壁材として注目されています。しかし、どちらを選べばいいのか迷う人も多いのではないでしょうか?どちらも自然素材で、ビニールクロスよち体に良さそう、というイメージはあるかと思いますが、実際のところ何が違うのかご存知ない方も多いのではないでしょうか。
今回は、珪藻土と漆喰の違いや特徴、選び方のポイントについて詳しく解説します。
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珪藻土とは?
珪藻土は、太古の時代に海や湖に生息していた微生物「珪藻」の化石が堆積してできた土壌を原料としています。そのため、自然由来の素材であり、環境にも優しい壁材として知られています。特に内部に無数の微細な孔(穴)がある「多孔質構造」が大きな特徴で、この構造がさまざまな機能を生み出します。
珪藻土の特徴
1-1. 調湿効果
珪藻土の多孔質構造は、空気中の水分を吸収・放出する力が非常に高いです。湿度が高い時には余分な水分を吸い取り、乾燥している時には水分を放出するため、部屋の湿度を快適に保つことができます。この機能は、カビの発生を抑える効果も期待できるため、梅雨や冬場の結露対策にも最適です。しかし、よく吸収する反面、水気を吸収した状態が続くとよくないので、適度な換気は必要になリます。
1-2. 消臭効果
多孔質構造は湿気だけでなく、ニオイの元となる分子を吸着する働きもあります。そのため、ペットや料理のニオイがこもりやすい部屋でも、空気を清潔に保つことができます。
1-3.耐火性能
土や石と同じ無機鉱物が主成分のため「耐火性能」に優れています。昔から火に強い土として、七輪・耐火レンガの材料として使われていました。
1-4.メンテナンス性が高い
汚れや、傷がついてしまった時は霧吹きで水をかけて指でやさしくなぞることでまわりに馴染み元通りになります。
1-5 デザイン性
珪藻土は、自然で温かみのあるマットな質感が魅力です。ナチュラルな風合いは、和風・洋風を問わず、さまざまなインテリアスタイルにマッチします。手作業で仕上げることで、独特の表情を出すことができるため、個性的なデザインを楽しみたい方にもおすすめです。
1-6. 施工のしやすさ
珪藻土は比較的柔らかい素材であるため、DIYでも扱いやすいという利点があります。最近では、初心者向けの珪藻土キットが販売されているため、自分で壁を塗ることも可能です。
珪藻土のデメリット
- ・表面が脆く、衝撃で欠けたり傷がついたりしやすい。
- ・水や油を吸収しやすいため、キッチンまわりには向かない。
- ・強度が漆喰に比べて低い。
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漆喰とは?
漆喰は、石灰を主成分とした壁材です。石灰岩を焼いて得られる消石灰に、水や砂、糊などを混ぜて作られます。日本では古くから城郭や蔵の外壁、寺社建築などで使用されてきた伝統的な建材で、耐久性や抗菌性に優れているのが特徴です。
漆喰の特徴
2-1. 抗菌・防カビ効果
漆喰はアルカリ性が強いため、カビや細菌の繁殖を抑える効果があります。この特性から、キッチンや浴室などの湿気が多い場所にも適しています。
2-2. 耐久性
漆喰は硬化すると非常に強固な素材になります。そのため、長期間にわたって美しい状態を保つことができ、メンテナンスも比較的少なく済みます。
2-3. 防火性
漆喰は高温でも燃えにくい特性があります。そのため、防火性能を求められる建築物にも使用されています。
2-4.耐水性
水に強いことから外壁材としても使用でき、お城や蔵の壁に使われています。
2-5 美しい仕上がり
漆喰は塗った後に滑らかで光沢のある仕上がりになります。独特の艶やかさは高級感があり、伝統的な和風建築だけでなく、モダンなインテリアにもよく合います。
漆喰のデメリット
- ・施工が難しく、熟練した職人が必要。
- ・硬化後にひび割れが発生することがある。
- ・珪藻土に比べると調湿効果がやや劣る。
- 珪藻土と漆喰の違いを比較
以下の表に、珪藻土と漆喰の違いをまとめました。
項目 |
珪藻土 |
漆喰 |
主成分 |
珪藻の化石土 |
石灰 |
調湿効果 |
非常に高い |
中程度 |
消臭効果 |
高い |
低い |
耐久性 |
柔らかく傷つきやすい |
硬くて耐久性が高い |
抗菌性・防カビ性 |
低め |
非常に高い |
仕上がりの質感 |
自然なマットな質感 |
滑らかで光沢がある |
施工の難易度 |
DIY可能 |
職人技が必要 |
価格 |
中価格帯 |
高価格帯 |
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どちらを選ぶべき?
珪藻土と漆喰はどちらも優れた壁材ですが、用途や目的に応じて選ぶのがポイントです。
珪藻土のおすすめポイント
- ・室内の湿度管理を重視する方。
- ・マットでナチュラルで温かみのあるデザインが好きな方。
- ・DIYで壁を仕上げたい方。
漆喰のおすすめポイント
- ・抗菌性や防カビ性を重視したい方。
- ・高い耐久性や防火性能を求める方。
- ・ツルンとした上品で滑らかな仕上がりを希望する方。
- ・キッチンなど水廻りで使用したい方
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まとめ
珪藻土と漆喰は、それぞれが異なる特性と魅力を持つ壁材です。自然素材ならではの快適さや美しさを取り入れることで、お家の質を大きく向上させることができます。選択肢に迷った際は、使用用途やデザインの好み、目的に合った素材を選ぶようにしましょう。
どちらを選んでも、自然素材の持つ心地よさを感じることができるはずです。長く住み続ける家だからこそ、自分に合った壁材を選んで快適な暮らしを楽しんでください。
この記事が、壁材選びの参考になれば幸いです。気になることがあれば、お気軽にご相談ください!
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丸晴工務店の漆喰にまつわる動画はこちら
https://youtube.com/shorts/z_1rYpzNjQo