2023年度 第1回多摩川建築塾 堀 啓二さん「成長する家 時間を織りなす住まい」
2023年6月3日小さな頃から絵を描くのが大好きで、手を動かして物を作ることが好きだった堀さん。
たまたま美大に建築科があることを知り、東京藝術大学美術学部建築科に通われました。
技術的なことや図面の書き方を学ばれましたが、それよりも建築がどうあるべきか、居心地の良い建築とはどういう物なのか?居心地の良いプロポーションの良い建築とは?など、そういったのを学ぶために、良い建築をたくさん見て自分で体験し、吸収して学んでこられたそうです。
新しい生活や人の生活はその時々でライフスタイルが変わるので、末永く使い成長していく、歴史を刻み、時を織りなすような住まいが重要であると説く、堀さんの現在は、大学施設や集合住宅を中心に建築をされています。
現在の大学施設を設計するにあたり、コンペに参加して行いますが、このコンペに参加するためには実績がないと参加ができません。それが堀さんはどうしても納得がいかないとおっしゃいます。若くして独立している設計士など実績がないものがコンペにすら参加できないのはおかしな話だと。
そんな思いを熱く語られ、堀さんの優しい人柄が垣間見れたような気がします。
優しい人柄は設計にも表れており、大東文化大学の設計は、学生たちの活動がファサードとなる空間、半屋外廊下にすることで学生たちの溜まり場となり、コミュニケーションの場が生まれます。またそうすることで空調負荷などなく環境に配慮した建物になっています。
福島県にある小高交流センターは、地元福島県産の杉材を使用した、帰ったら気軽に立ち寄れる、昔の町屋を継承しながら街に溶け込むような建築を目指して作られました。
美観を保つため、中央に柱を立てず寺社仏閣でも使われる持ち出しの構造を現代風にアレンジされ開放的な空間を作られました。
建築家の役割として、
人と人、人と環境を繋げること。人の生活そのものを再現していくこと。
100年残る建築を作っていくこと。
そのためにも、過去の人たちのいい作品や昔の人たちの知恵を吸収し議論して、組み立て直していくのが重要である。
閉じていく世界になってきているけれど、他者と関わり合い、自然と共存でき、街に開かれた住まいを作っていく必要があるとお話しいただきました。
プロジェクトを交えながら具体的にお話しいただいた内容は、自然光の取り入れ方や自然通風の入れ方など、そういった図面を見ながらのお話しは塾生の特権なので、今日はここまで。
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