どこか懐かしくどこか愛おしい家

解体の日。

思い出の詰まった

このお家。

昔ながらの

ガラスの玄関。

どこか懐かしくどこか愛おしい。

 

 

階段を上がった先の

お子さまが使われていたであろう

お部屋には、かたむいた賞状が飾ってありました。

 

 

歴史を感じさせる

このお家を

解体するのは

少しもったいないような

そんな気にもなりました。

 

でも、

世代が変わり

賞状のお子さまが

今度は母になり、

また新たな歴史を刻むため

新しいお家が建ちます。

 

この新しいお家も

いつか、

愛おしいと思ってもらえる

そんなお家を

建てたい。

 

そう願ってお家を建てます。

 

丸晴工務店 施工事例

https://www.marusei-j.co.jp/work-list/

丸晴工務店 作業動画you tube

https://youtu.be/79AYmGoKiuQ

第2回多摩川建築塾『田中敏溥さん』

先週末、第2回多摩川建築塾が開催されました。

今回は、『田中敏溥さん』でした。

コロナのこともあり、今はZOOMでの開催なので、

ZOOM講義が苦手な田中さんからは、出て頂くたびに『これで最後ね。』と言われながら、

毎回オファーを受けてくださっているそうです。

何度聞いてもためになるお話なので、これからもぜひお願いしたいです。

今回のお話は、

”土地の特性を読み解く”

どんなお家も土地環境、景観環境、建築条件などあらゆる規制や、いいところがあります。

そういった土地の特性を読み取っていいお家を建てる。

そんなお話でした。

『吉祥寺の家』

この土地は、大きな桜の木が植わっていて、その桜を生かす設計を行なったそうですが、工事が始まってみて初めて桜の木を抜かないといけないという結果になり、桜のために開けた開口部をどうするか検討し、ヤマボウシを桜のボリュームに合わせるため、2本植えたそうです。

リビングから見える景色と道から見える景色。昼、夜の両方の見え方を意識して、開口部の建具は引きこめるように設計を行ない、一つの絵のように見えるようにしたそうです。

「道にやさしく」(風土社:建築家の心象風景 田中敏溥より)

都心に近い住宅地、27坪の敷地の建替計画。夫婦だけの街なかの家。

古い家には、道の境に桜の木があり、枯葉が庭と道をおおい、街に大きな緑を与えていた。

木を取り込んだ家、道にやさしく接する家をつくることを計画の基本にした。庭師に木を診断してもらったところ、危険な状態であることがわかり、やむを得ず切り倒し、代役には桜の思いをこめて、夫婦の好きなヤマボウシの大きな株立ちが選ばれた。

家族室は、道を介した視界の広がりと明るさを求めて2階に設けた。

南東の角に大きくL型に開けられた窓前には、ヤマボウシが道とのやさしい緩衝役になるよう植えられた。

春から秋にかけては緑のスクリーン、冬は日光を入れる枝のスクリーンになる。家は昼だけでなく夜の姿にも責任を持ちたいと思っている。ヤマボウシの枝葉越しに窓の明かりが暖かく見えることを願った。

道の境と外壁の間は1.2m、そこに小さなアプローチとゲート、自転車置き場をつくった。道との境には鉄と木を組み合わせた高さ2mのフェンスを設け、モッコウバラを這わせた。この家の5年後、10年後が楽しみである。

家はつくづくその家族だけのものではなく街のものであると思う。家を道にやさしくつくりたいと思っている。

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田中敏溥建築設計事務所HP「吉祥寺の家」

https://www.tanakaaa.com/blank-3

 

『国立の家』

この土地は、斜線制限のある小さな敷地のため、断面空間を無駄なく使うために地下室を設け、天井高をギリギリまで下げたりと、上げ下げを繰り返して設計したそうです。また隣地と密接しており、緑を入れることが難しいため、縦に緑を入れようと、外壁と並行して、ワイヤーを張り巡らせて、そこにムベやヒイラギなどの緑を絡ませて緑の壁を作ったそうです。

 

「小さな敷地の大きな暮らし」(風土社:建築家の心象風景 田中敏溥より)

東京郊外の24坪弱の敷地に建つ4人家族の家。

条件は「ゆったりした家族室・独立した客室・ちょっとした書斎・十分な収納・計画された庭(緑)・近隣に配慮した家・以上を満たした経済的な家づくり」という七つ。

小さな敷地の小さな家で七つび条件に応えた家をつくることと、さらに都市型住宅の「一つの型」をつくりたいという希望があった。そのために、設計するときの心構えを二つつくった。もったいないという気持ちで設計することと、緩急をつけた設計をすること。

たとえば、与えられた断面空間を無駄なく使うために、天井高をギリギリの寸法にしたり、天井を張らなかったり。廊下、階段の動線空間や私室を小さくし、家族室をできる限り広くつくろうとしたり。

設計とは、限られた面積や各寸法、それに予算の配分作業である。小さな敷地に大きな暮らしをつくる上で重要なことは、すべてに節約することではなく、均等に分けることでもなく、大切なところに大きく配分する勇気を持つことである。

 

家は場所に合わせてつくる・自分の家は街のもの・敷地を無駄に使わないという三つの意識を大切にしてよく考えられた家は、街に気配りされた佇まいになり、大きな視点からも土地が有効に利用される。その家は場所を生かすことになる。

小さな敷地ほど、条件が厳しいほど、場所の特性を読み解くことに時間をかけ、家づくりに反映させ、街の景観環境を高めていくことが必要である。

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田中敏溥さんという方は、

設計をする上で、常に周りの方々と街並みにもに気を配り、設計を行なっています。

それは、、、

『お隣さんは家を作ってほしいと思っていないでしょ。そもそも家を建てること自体が迷惑となるのだから、迷惑があからさまにならないようにすることが大事。どんなに自分勝手な施主さんがいても、要望をニコニコしながら聞き、お隣さんに迷惑のかからない家づくりをすることが大事。それに、貪欲にまわりの土地を取り入れて、街に責任を持って建築していくことが街づくりにつながる』そういった考えがあるから、周りや街にやさしいお家を建てることができるのだと思います。

街に住むのだから、家は街のもの。

仲良くする家をつくる。

緑を取り入れることは、街に対する愛情。

常に周りへの配慮。

これらを忘れずに設計することが、

いいお家をつくることに繋がるのだと思いました。

 

田中敏溥さんの絵本について書いたブログはこちら

https://www.marusei-j.co.jp/人や街が豊かになる造園や植栽をするには/

気になるアプローチの植栽について

先日、ホームページにもある施工写真の草についてお問合せがありました。

コロナの影響もあり、今ガーデニング関連がブーム見たいですね。

 

そこで、

今回は、この草花の紹介をしていきたいと思います。

 

 

ヒメイワダレソウ

クマツヅラ科/多年草

[特性]

日当〜半日陰で育てる。

極端に寒い場所や暑い場所でなければ、どんな環境下でも育ち繁殖する。

しかし、日陰や湿地帯だと花つきが悪くなったり、茎がほそく育つことがある。

寒さに弱く、冬にはすべて枯れてしまう。

[お手入れ メンテナンス]

日照り続きなどで土が乾いていない限りは、年間を通して水やりは必要ない。

 

レモンタイム

シソ科/多年草

[特性]

日向で育てる。

薬や料理用のハーブとして良く用いられ、温かみのある強い芳香をもつ。

地中海に分布し、水はけがよく日光の多い場所が生育に適する。

10〜40センチメートルほどの低い茂みになる。

晩春から初夏にかけて、淡い紫桃色の花を咲かせる。葉は明緑色で、レモンのような芳香がある。

[お手入れ メンテナンス]

日当りのよい場所を好み、水はけや風通しのよい場所、弱アルカリ性の土壌で栽培する。

高温多湿や日照不足になると枯れてしまう場合があるので気をつける。

 

クマザサ

イネ科/常緑多年草

[特性]

半日陰で育てる。

深緑色の葉は長さ10〜25㎝の長楕円形で、冬になると葉緑が枯れて白く縁取られる。

水はけの良い肥沃な土壌で育つ。

[お手入れ メンテナンス]

一度植えつければ、特に手入れをする必要はない。

刈り込みにより、草丈を低く抑えると地下茎でどんどん殖える。

 

ベニシダ

オシダ科/常緑多年草

[特性]

半日陰〜日向で育てる。

若葉が紅紫色で、徐々に緑色に変化する

石や樹木の幹元で使うとお互いの美しさが引き立ち、日本の山らしい雰囲気がよく出る。

[お手入れ メンテナンス]

病害虫の心配がなく、肥料も必要ない。枯れた葉を切り取ると新葉が生えやすい。

 

オニヤブソテツ

イネ科/常緑多年草

[特性]

日向〜半日陰で育てる。

おもに海岸近くの日当りのよい場所でみられる常緑シダ。

塊状の根茎をもつ。

[お手入れ メンテナンス]

一度植え付ければ特に手間はかかりません。

病虫害も特になし。

 

スナゴケ

ギボウシゴケ科/コケ植物

[特性]

半日陰で育てる。

日当りと水はけのよい場所を好む。石との相性もよく、落ち着いた雰囲気が出る。耐寒性・耐暑性があり丈夫。

[お手入れ メンテナンス]

蒸れに注意して、乾燥気味に育てる。水やりは日中を避け、表面に撒く程度でよい。

 

これらの植栽はどこで購入できるの?

まずお近くのホームセンターなどでも種類は少ないですが購入できると思います。

丸晴工務店のお勧めの購入場所としまして

SOLSO FARM

地元川崎市にあるとても人気があるガーデニング店舗です。

二子多摩川の蔦屋家電にも出店しているようです。

とてもオシャレな店舗で子供と行っても遊べる遊具などがあります。

オザキフラワーパーク

とても有名なところですが、植栽の種類がとっても豊富です。

渋谷園芸 練馬本店

とても種類が豊富です。いつも地被植物を購入しています。

 

自分たちで植えたり、家の植栽に生かしてみてはいかがでしょうか。

お家がとても好きになります。

 

2棟の地鎮祭が行われました。

先日、瀬谷区と町田市にて、2棟の地鎮祭が行われました。

神聖な地鎮祭を前に少し緊張気味の施主様方。

お子様たちも緊張した面持ちで参加されていました。

地鎮祭とは

その土地の守護神(鎮守神)を祀り、土地を利用させてもらうことの許しを得て、工事の無事を祈る儀式とされています。

一般的には、土地の四隅に青竹を立て、その間を注連縄で囲って祭場となし、斎主たる神職のもと、建設業者・設計者・施主らの参列の上で執り行う。場合によっては、赤白の横断幕を張ったテントの中で行われる事もある。祭場の中には木の台(案という)を備え、その中央に神籬(ひもろぎ、大榊に御幣・木綿を付けた物で、これに神を呼ぶ)を立てて祭壇(南向きまたは東向き)となし、米・酒・魚・野菜・塩・水等の供え物を供える。また、関西などの特定の地方によっては伊勢神宮近隣の浜から砂または塩を取り寄せ、四隅に置く場合もある。祭壇の左右に、青・黄・赤・白・黒の五色絹の幟に榊をつけた「真榊」を立てる場合もある。この五色絹は五行説における天地万物を組成している5つの要素、つまり木・火・土・金・水を表している。昔は竜柱(祝い柱)を建て、丑寅(北東)と未申(西南)の方向にそれぞれ矢を立てて普請の安全を祈った。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

 

 

土地の神様へのご挨拶も済み、これからたくさんの想いや希望の詰まったお家作りが始まります。

12月・1月にお問合せ頂いてから、たくさんの打ち合わせを重ねてきましたね。

まだまだこれからもお家づくりは続きます。

一緒にいいお家を建てていきましょう。

 

次の行事は、上棟式です。

https://www.marusei-j.co.jp/上棟式とは何なのか?大工工務店だからこと知っ/

大工の墨付け〜現場LIVE〜

木組みの家づくりにおける、

柱や桁などの墨付けって見たことありますか?

そもそも墨付けって何?

って思われる方も多いと思います。

木を組む上で、一つ一つの木材に凹凸の加工をして組みます。

それを、仕口、継手などと言ったりします。

そんな仕口や継手を加工するための印をつけることを墨付けと言います。

現在では、手刻みで加工するところが少なくなってしまい、9割が機械によるプレカットになっています。

そのため、墨付けを見る機会も少ないと思います。

今回は、そんな墨付けをピックアップして、どんな風に木組みの家が出来上がるのか、楽しんで見て頂けたらと思います。

 

墨付けとは

木材の角材面に切ったり、削ったりする工作の基準となる線や記号、符号などをつけることを言います。

各工事を行う際の基準となる通り心や高さ、仕上げの位置などを工事の段階に応じて基礎や柱、壁面などに印をしたり、部材を刻み加工する前に、その加工に必要な基準線の位置、寸法、印などをつけます。

道具は、墨壺、墨刺、曲尺、尺杖などが用いられます。

木造住宅では、まず土台、桁、梁などの横架材の詳細な寸法関係(断面や内法寸法の微妙な食い違い)や、納まりの変更などの要素を検討してから墨付けをします。

地廻り(建物全体を一周する桁と梁の総称)よりも下方の部分では、部材同士は縦横内法間の垂直または水平による取り合い関係であるため、正確な寸法採りがなされていることが大切です。

地廻りよりも上部の軒廻りや小屋組ではさらに勾配の要素が加わるため、特に寄棟屋根や入母屋屋根などの複雑な寸法関係を曲尺一本で導き出すためには規矩術(曲尺によって描き出す図式解法)の習得が重要となります。

 

参考資料:

墨壺

材木の墨掛けや墨出しに用いる直線を引くための道具。

墨汁を染み込ませた墨綿を入れておく墨池、糸車、先端に針の付いた軽子、墨糸からなります。

 

 

墨打ち

道具は古代から墨壺が用いられ、繰り出して伸ばした墨糸の弾力性を利用して、それを弾くように直線の墨を打った墨打ち。また墨糸を多少たわませて墨打ちすることで、曲線を描くこともできます。

 

種類

鎌(かま)

主に継手に用いられる引張りに有効な基本形。

引張りに有効な継手として桁、母屋、棟木などに古代から用いられてきた。

 

蟻(あり)

引張りに抗する形で、引張強度は「鎌」に及ばないが、接ぐ長さが短くてすみ、仕口では凹形に加工される通し材の繊維を欠く割合が比較的少ないため、仕口に多く用いられる。

  

 

手板、番付表

手板、番付表と呼ばれる大工さんの図面を確認しながら、間違いのないように、番付表の記号を木材に記載し、墨付けをしていきます。

 

 

墨付けは、表に出るところの仕口や、部屋によっての材木の選び方、木の曲がりやむくりを確認して方向を決めたり、場所場所によって変えていく、そんなふうに人間にしかできない目利きをしながら、墨付けを行っています。プレカットになり、工期が短かくなったりとても便利にはなりましたが、プレカットではできない材料、納まりは大工さんの手刻みでおこなう必要性があります。天然乾燥材を主に使い、丸太を使ったりと様々な理由から手刻みで全棟おこなっております。またいい家を作りたい。その気持ちが手刻みには、こもっております。

 

You Tubeで今回の墨付けをしている動画を載せています。

よろしければ見てみて下さい。

https://youtu.be/3CtqDzmsS4U

 

その他ブログで継手仕口について書いた記事です。

https://www.marusei-j.co.jp/木造建築における木組みの継手仕口とは何?/

 

人や街が豊かになる造園や植栽をするには

目まぐるしい生活とせわしい社会環境の中、

家にいることも多くなり、

ふっと窓の外を見れば癒される空間が欲しいと思うのは、

誰しもが思うことではないでしょうか?

ちょっと重い腰を上げて行動してみることで、

意外にも多くの人の心に影響してくるのがわかると思います。

これからお話しする内容は、

建築家の方が作られた本の抜粋ですが、

社会が変わっていく中で、どうあるべきか、

変えていくべきところ、変えてはいけないところ

そういうところを考えた上で庭づくりをしていくことが

大切だということを教えてくれています。

ぜひ絵本も読んで欲しいです。

向こう三軒両隣り

建築家 田中敏溥さんの絵本『向こう三軒両隣り』より

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1950年代表の道や路地が私たちの遊び場でした。

しかし、時代は高度な情報化の社会へと突入していき、

道からは子どもたちだけでなく心も消えていってしまいました。

そして、家の形も変わっていきました。

ー中略ー

これは最近体験したことです。

その家の東側は道路から外壁まで

1mしか離れていませんでした。

最初はふつうの生垣をつくる計画でしたが、

「せっかく植えるなら、近所の方や、

学校帰りの子どもたちが

食べてもいいように、実をつける木を植えませんか。

そのほうが楽しいでしょう。

どうぞ食べてくださいってね。」

と建て主からわたしに提案がありました。

 

そこにはブラックベリー、ブルーベリー、

ユスラウメ、木イチゴ、

キンカンを植えました。

このあいだ訪ねたとき、ブルーベリーが実を付けていたので、

そっとひとつぶ摘んで口に入れました。

格別な味がしました。

 

このように街に対するやさしい気持ちが

ひとつずつ増えていくと

いいと思っています。

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この絵本を読んだとき、

とても衝撃を受けました。

もちろん、自分の土地だから好きなように

植えたりするのはいいのでしょう。

でも、こんな風に、人や街を想って植えることで

人や街が豊かになり、やさしい気持ちで

あふれるのだと思いました。

 

ブラックベリー

ブルーベリー

ユスラウメ

 

木イチゴ

 

キンカン

 

そのほか苗木の種類

高木(3m以上)

アオダモ

モクセイ科/落葉高木

[特性]

花のなる時期は5月〜6月、半日陰〜日向で育てる。

野球のバットの材にもなることで知られる樹木。

成長が遅く、建築に当たるほど大きくならないうえ、半日影でもよく育ち樹形が乱れにくいため、中庭でも使いやすい。幹の模様が美しく、落葉後の姿も絵になる。サイズも多様でどのような建築にも合う表情をもつ。日向を好むが、日当りが強いと模様が薄くなる。

[お手入れ メンテナンス]

乾燥や寒さに強く、病害虫もほとんどないので育てやすい。

剪定は、樹幹の内部を透かし剪定する程度で手入れにも手間がかからない。

ただし、植え付け1年目は土壌を乾燥させないように水やりを十分に行う。

 

アベマキ

ブナ科/落葉高木

[特性]

花のなる時期は4月〜5月、実は翌年10月〜11月。日向で育てる。

クヌギと似た樹木。樹皮がコルク質で弾力があり、柔らかな印象。成長するにつれて幹の迫力が増すので、幹の面白さを楽しめる。

[お手入れ メンテナンス]

樹形が乱れてきたら剪定で整えるが、強剪定は避ける。

 

中木(1.5m〜3m)

ウグイスカグラ

スイカズラ科/落葉中木

[特性]

花のなる時期は4月〜5月、実は6月〜7月。半日陰〜日向で育てる。

日本原産の樹木で、ラッパ状のピンクの花や果実が楽しめる。日向では株にボリュームが出て、花付きもよくなる。

[お手入れ メンテナンス]

暴れる感じで枝が生えてくるが、適宜間引いて好みの形に仕立てる。

 

 

オリーブ

モクセイ科/常緑中木

[特性]

花のなる時期は5月〜6月、実は9月〜11月。日向で育てる。

古木は幹が強く迫力がある。銀色に輝く葉も繊細で美しく、洋風の雰囲気が出る。乾燥地帯の植物だが、日当りがよく水はけがよければ、特に土壌は選ばない。ただし、耐寒性はあるものの、極寒地では難しい。果実はオイルやピクルスの原材料として楽しめる。実を多く収穫するためには違う品種を添えて植える。

[お手入れ メンテナンス]

混み合ってきた枝を整理し、風通しをよくする。

春から秋にかけて、幹を食害するゾウリムシに注意。乾燥を好むので水やりは控えめに。剪定は枝分かれしている付け根で行う。剪定適期は2月頃だが、それ以外の時期でも余計な枝は適宜落とす。

 

低木(1.5m以下)

ギンバイカ

フトモモ科/常緑低木

[特性]

花のなる時期は5月〜6月、実は10月。半日陰〜日向で育てる。

温暖な気候に適した植物で、耐寒性はあまり高くなくない。日当たりがよく、寒風の当たりにくい中庭や建物際に植えるとよい。

[お手入れ メンテナンス]

徒長枝が出るので枝の又でカットする。剪定の適期は花後すぐ。病害虫の心配は特にない。

 

ハクサンボク

スイカズラ科/常緑低木

[特性]

花のなる時期は4月〜5月、実は10月〜11月。半日陰〜日向で育てる。

大きめの青々とした照り葉が魅力の常緑樹で、半日影で美しい樹形を維持する。春には星をちりばめたような白い花を咲かせ、秋には真っ赤な実を付けるなど、四季の移り変わりを感じさせてくれる。柔らかい枝のものを、高木や中木に絡めて使う。耐寒性・耐暑性ともにあるが、元々暖地に自生しているため、寒冷地には不向き。

[お手入れ メンテナンス]

害虫ではアブラムシ・カイガラムシの発生に注意。

ハムシに食べられることがあるが、枯れることはない。剪定は徒長枝、古枝を整理する程度で、ほとんど手はかからない。

参考資料:株式会社エックスナレッジ『萩野寿也の「美しい住まいの緑」85のレシピ』

 

丸晴工務店の庭づくりの取り組みについて

https://www.marusei-j.co.jp/tag/庭/

 

植栽はワークショップ形式で、お客さんと一緒に庭づくりをしています。

https://www.marusei-j.co.jp/街に人にやさしい/

 

OBさんが開催する〜七輪陶芸ワークショップ〜

以前、使っていない母屋をアトリエに改修工事され、

そのアトリエで陶芸のワークショップを開催されます!

ぜひ、参加してみて下さい!

詳しくはこちら

【Studio Miiru(スタジオ ミイル)】

https://studiomiiru.wixsite.com/website

 

建築家が集まる勉強会『多摩川建築塾』

先週の金曜日に『多摩川建築塾』という建築家たちの勉強会がありました。

有名な建築家の先生をお招きして、多くの建築家たちが知識を深めていきます。

今回は、あの日本の建築を変えたと言われる建築家 吉村順三氏のもとで、

建築をされた藤井 章先生のありがたいお話でした。

吉村順三氏の言葉

『建築家として、もっともうれしいときは、

建築ができ、そこへ人が入って、そこでいい生活が

おこなわれているのを見ることである。

日暮れどき、一軒の家の前を通ったとき

家の中に明るい灯がついて、

一家の楽しそうな生活が感じられるとしたら

それが建築家にとっては、

もっともうれしいときなのではあるまいか』

から始まり、吉村順三という建築家はどんなふうに何を思い建築をしてきたのかをお話いただきました。

家の建築においては、家にいる時間の長い主婦の導線や居間・食堂・台所のつながり、こういったところに重きをおいて建築され、なににおいてもこだわりを持ち貫き通す。そんな心を教えられました。

また、今回は、塾生の中に建築家として有名な方も参加され、

建築家の飽くなき探究心に畏敬の念を抱きました。

たくさんの建築家がおり、たくさんの考えを持って建築されていますが、全ての建築家の思うところは、冒頭にある、吉村順三氏の言葉の通りではないかと思います。

丸晴も飽くなき探究心を欠くことなく進んでいきます。

 

木造建築における木組みの継手仕口とは何?

木造建築には、軸組工法や2×4(ツーバイフォー)と呼ばれる工法があります。

その軸組工法には、木と木を組み、建物の強度を増す、または、古いものを再利用するための継手など、たくさんの技法があります。

ここでは、基本的な継手・仕口・組手についてお話したいと思います。

 

はじめに

木造建築の部材の接合を言い表す用語として、継手(つぎて)、仕口(しくち)、組手(くみて)、差口(さしぐち)、矧ぎ(はぎ)などがあります。いずれも近世の大工書に表れる用語です。

明治39年に刊行され、戦後にまで版を重ねた建築辞書『日本建築辞彙(にほんけんちくじい)』によれば、継手は材を継ぎ足す接合を、組手は桁(けた)や合掌梁(がっしょうばり)など部材が交叉する箇所での接合を、差口は一方の材側面に他材を取り付ける接合を言います。

さらに仕口は、上記の組手や差口をいうとあるので、仕口は角度をもって材を組み合わせる接合の総称と言えます。

また、同辞書に矧ぎの見出しはないですが、実矧、胴付矧などの項目から、矧ぎは板材の長手側面の接合を言うことがわかります。

このような仕口に決定的な変化をもたらしたのが十二世紀末に導入された、柱を貫き通し、柱相互を繋ぐ貫の技術です。当然そこには、柱と柱の内部で交叉する貫材という直交三軸を形作る部材を組むための、それまでになかった仕口や継手の技術が新たにもたらされました。

こうした様々な要因がからんで多様な継手仕口が歴史的につくられてきました。接合部によっては複合的な要因が働き、それに対応するために複雑な形の継手仕口が考案され、その結果、それらは優れた手業を表すものとして、見る人の興味を惹きつけるのです。

 

木造建築で主に使われている仕口

●枘(ほぞ)●

在来軸組工法では必要不可欠な仕口です。

弊社では手刻みで行いますが、ほとんどがプレカット工法と言って、工場で量産されていることが多いです。

仕口をつくる二材の寸法が近い場合に、引張り以外のずれに抵抗する基本形であり、材軸方向に指し込んで接ぐもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

手刻みほぞhttps://www.marusei-j.co.jp/手刻み/

 

 まずは、墨付け通りに丸鋸で裁断していきます。

 

 

 

次に、鑿(のみ)を使って丁寧にほぞの加工をしていきます。

 

 

●鎌(かま)●

こちらも基本的な継ぎ方の一つです。

滑り勾配を付け、ほぞだけで力を受けるのではなく、面で受ける工夫が施してあります。

 

よりよい木組みとは

よい木組とはどんなものでしょうか

まず、地震などの外力などに対しても安全なこと。安全であるということは、単に強さだけを求めることではないのです。もちろん、壊れない丈夫さも必要ではありますが、万が一の場合にも瞬時につぶされてしまうことがなく、たとえ大きく傾いても、住み手が避難できる空間を保持することも大切な機能であるといえます。

また、よい木組は、継手や仕口などの仕様を決定するだけでは十分とはいえません。注意深く定められた仕様によった木組の性能を生かすには、間取りの計画と同時に、力の流れが素直で無理のない架構を計画する必要があります。さらに、木組を生かしながら快適で丈夫な住空間を実現させる仕上げなど、家全体のつくり方とも深く関連してきます。

そのため、建物の強さを測る実験だけでなく、建物の壊れ方の実験などに参加していくことで、柔軟で強い家づくりができます。

 

おまけ

継手や仕口は、本当にたくさんの種類があり、全てをご紹介することができませんが、ちょっと面白い継手をご紹介します。

真っ直ぐにも直角にも接げる不思議な継手

『河合継手』

矩手(かねて)にも組め、長手(ながて)にも継げる不思議な継手です。

墨付けは至って簡単ですが、隙間無く組み合わせるとなるとなかなか難しい継手。

この継手は、工学院大学建築学部建築学科教授の河合直人氏が東大在学中に考えたもので、

考案者の名前から『河合継手』と呼ばれています。

 

実用よりパズル感覚で組み合わせを楽しめます。

腕試しに作ってみてはいかがでしょうか?

 

参考資料:誠文堂『木組み・継手と組手の技法』

 

組手を多用する『数寄屋門作り』

https://youtu.be/8ur1i06B8dU

 

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